マイナ在宅受付Webとは?オンライン資格確認の手順やメリットを解説

マイナ在宅受付Webとは?オンライン資格確認の手順やメリットを解説

「マイナ在宅受付Webってなに?」
オンライン資格確認時に活用すべきシステムとは知りつつも、このように疑問を感じる方がいるのではないでしょうか。


本記事では、マイナ在宅受付Webのメリットや注意事項、資格確認の流れについて解説します。オンライン資格確認時に活用し、上手に運用していきましょう。

マイナ在宅受付Webとは

マイナ在宅受付Webとは、マイナンバーカードの読み取り機能があるモバイル端末からアクセスする専用のWebサイトです。
患者さん自身がマイナンバーカードの読み取りやパスワード入力をおこなうことでWebサイトへアクセスできます。

マイナ在宅受付Webは、訪問診療におけるオンライン資格確認をおこなううえで有効です。
オンライン資格確認とは、患者さんにおける保険資格の確認をオンライン上で実施するものです。

従来、資格確認をおこなう場合は院内スタッフが患者情報をシステム上で入力する方法がとられていました。

一方で、マイナ在宅受付Webと連携させるとオンライン資格確認システム経由で薬剤情報や検診情報などをモバイル端末へ反映させることが可能です。

結果、患者さんの資格情報をスムーズに確認できるようになり、診療・服薬指導が円滑に進みます。

マイナ在宅受付Webのメリット

マイナ在宅受付Webを活用すると、おもに以下のメリットが期待できます。

  • 訪問看護ステーションや薬局との情報連携がスムーズになる
  • 患者さんが受診した医療機関で処方した薬や治療した内容などが把握しやすくなる
  • 保険証の情報更新の際にスムーズに進行できる
  • セキュリティ対策になる


上記以外にも、保険証を含む各種情報の変更作業や請求業務などの負担が削減できるでしょう。

マイナ在宅受付Webにおける注意点

マイナ在宅受付Webを運用するうえで注意しなければならないのが、患者さんへの説明です。

在宅医療を受ける患者さんの多くは高齢者であり、スマホやタブレット端末を使いこなすのが難しいケースがあります。

そのため、運用する際は患者さんに対して丁寧な説明を心がけることが重要です。必要に応じて患者さんが慣れるまで操作方法をレクチャーしていきましょう。

操作説明の際には、厚生労働省が作成した操作手順書に沿って説明してください。また、クリニックの運用に沿った独自のマニュアルを作成し、患者さんに共有するのもよいでしょう。


(引用)厚生労働省九州厚生局|病院・診療所向けオンライン資格確認クイックガイド

マイナ在宅受付Webを活用した資格確認の手順

マイナ在宅受付Webを活用した資格確認の手順を解説します。まずは、医療機関などのモバイル端末を利用し、マイナ在宅Webへアクセスしてください。

アクセス後、以下2点の準備ができているかを確認しましょう。

  • マイナンバーカードの準備
  • マイナンバーカードへの保険証登録


マイナンバーカードへの保険証登録ができていない場合、処理が進行できないため、お済みでない方はマイナポータルサイトで登録してください。

次に以下5点の質問に対し「同意する」「同意しない」のどちらかを選びましょう。

  • 手術情報の提供
  • 診療情報および薬剤情報の提供
  • 特定検診等情報の提供(40歳以上対象)
  • 限度額情報の提供
  • 特定疾病療養受療証情報の提供


選び終わったら同意登録内容の確認をおこない、4桁の暗証番号を入力後マイナンバーカードをかざし、同意登録完了後に資格情報が取得できます。

マイナ在宅受付Webを導入する際に活用できる補助金

医療機関・薬局における居宅同意取得型の利用において必要な以下2点について、補助金による支援がおこなわれています。

  • レセプトコンピュータの改修
  • マイナンバーカードの読み取り・資格確認のためのモバイル端末など導入

なお、補助内容は以下のとおりです。(訪問診療等とオンライン診療等の両方を実施している場合は以下の上限額となる)

補助率 補助限度額
(訪問診療・訪問服薬指導等)
病院 1/2 41.1万円
(事業額上限82.2万円)
大型チェーン薬局 1/2 8.5万円
(事業額上限17.1万円)
診療所・薬局 3/4 12.8万円
(事業額上限17.1万円)

なお、モバイル端末とレセプトコンピュータの改修における事業上限額は、以下のとおりです。

  • モバイル端末:4.1万円
  • レセプトコンピュータの改修:78.1万円(病院)/13万円(診療所・薬局)


訪問診療のみを提供する既存の医療機関においては、オンライン資格確認のシステム本体の導入補助(ICT基金)を活用し、居宅同意取得型の補助を受けることになります。

マイナ在宅受付Webに関するよくある疑問・質問

マイナ在宅受付Webに関するよくある疑問・質問を以下の項目に分けて解説します。

  • 準備物・動作環境について
  • 同意情報について
  • 同意登録・取消・更新について    


マイナ在宅受付Webに関してわからないことがあれば、以下の内容を参考にしてください。

準備物・動作環境について

訪問診療において、マイナ在宅受付Webを利用するためには、以下の準備物・動作環境が必要です。

  • マイナンバーカード+数字4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明書のパスワード)【患者が準備するもの】
  • マイナンバーカードの健康保険証利用の登録【患者が準備するもの】
  • マイナンバーカード読み取り対応のモバイル端末等【職員が準備するもの】
  • 利用する端末(PCの場合はブラウザ)用のマイナポータルアプリのインストール【職員が準備するもの】

動作環境については、以下のとおりです。

Android iOS Windows Macintosh
OS Android 11以上 iOS 15以上 Microsoft Windows 10
Microsoft Windows 11
macOS Sonoma(バージョン14.0以上)
macOS Ventura(バージョン13.0以上)
macOS Monterey(バージョン12.0以上)
macOS Big Sur(バージョン11.0以上)
ブラウザ Chrome 最新版 Safari 最新版
Chrome 最新版
Microsoft Chromium版Edge 最新版
Chrome 最新版
Firefox 最新版
Safari 最新版
Chrome 最新版
Firefox 最新版

同意情報について

マイナ在宅受付Webを活用した資格確認をおこなう際の同意情報について、よくある質問は以下のとおりです。

「手術情報の提供」に同意すると医療機関・薬局などでなにが確認できる?

保険医療機関から審査支払機関に提出済みの電子レセプトから抽出した手術情報(移植・輸血含む)が医療機関・薬局などで確認できます。

「診療情報および薬剤情報の提供」に同意すると医療機関・薬局などでなにが確認できる?

保険医療機関から審査支払機関に提出済みの電子レセプトから抽出した以下の情報または保険医療機関・保険薬局で調剤された過去5年分の薬に関する情報が確認できます。

  • 入院料等のうち短期滞在手術等基本料
  • 放射線治療
  • 画像診断
  • 病理診断
  • 医学管理等
  • 在宅医療のうち在宅療養指導管理料
  • 処置のうち人工腎臓・持続緩徐式血液濾過・腹膜灌流

「特定健診等情報の提供」に同意すると医療機関・薬局などでなにが確認できる?

令和2年度(2020年度)以降に受診した特定健診などの過去5回分の情報が確認できます。

「限度額情報の提供」に同意すると医療機関・薬局などでなにが確認できる?

限度額適用認定証等情報が確認できます。限度額適用認定証とは、窓口での支払額が高額になる場合に、自己負担額を所得に応じた限度額にするために医療機関・薬局などに提示する証類です。

「特定疾病療養受療証情報の提供」に同意すると医療機関・薬局などでなにが確認できる?

特定疾病療養受療証情報が確認できます。特定疾病療養受療証とは、窓口での支払額が高額になる場合に、特定疾病にかかる自己負担額を限度額に抑えるために医療機関・薬局などへ提示する証類です。

同意登録・取消・更新について

同意登録・取消・更新についてよくある質問は以下のとおりです。

画面に「マイナンバーカードへの健康保険証利用が登録されていません」と表示された場合どうしたらいい?

訪問診療をご利用の場合は、事前にマイナンバーカードの健康保険証利用の登録が必要です。マイナポータルサイトで登録してください。

「あなたが予約した診療日」の変更ができません。変更するにはどうしたらいい?

変更したい場合は、オンライン診療や服薬指導サービスで変更したうえでマイナ在宅受付Webをご利用ください。

まとめ

マイナ在宅受付Webとは、マイナンバーカードの読み取り機能があるモバイル端末からアクセスする専用のWebサイトです。

マイナ在宅受付Webを活用すると、薬局や訪問看護ステーションとの連携がしやすくなったり、患者さんの情報をスムーズに収集できたりします。

運用時には準備物や動作環境を確認のうえ、有効活用していきましょう。